Sarina Nihei「Rabbit’s Blood」 大切なものを失った少女はウサギと出会う

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このブログを作ろうと思ったきっかけとなる3つの作品の3つ目です。
謎過ぎる展開にモヤモヤするモヤモヤアニメ作品「Rabbit’s Blood」。

▼Sarina Nihei「Rabbit’s Blood」

友人?姉妹?の突然の自殺と同時に、身の回りに現れるようになったウサギ人間。


次々と巻き起こる謎展開に頭の理解が全く追いつきませんが、とりあずこのナイフを投げる動きと、ウサギ人間が壁をすり抜けるときにカクっと首をかしげる動きが面白いです。

恐らくストーリーには実際には意味が無いんじゃないかと思いますが、意味ありげな描写の連続でモヤモヤと意味を考えてしまうモヤモヤな世界観に引き込まれてしまうアニメ。

ちなみに先月ドイツに行っていた際にたまたま「FILMFEST DRESDEN」というイベントの開催期間中だったのですが、この作品はそのイベントのパンフレットで知った作品です。

ドレスデンの聖母教会前広場を散歩しているときに青空上映しているのを偶然見かけて知りました。

▼パンフレットでの紹介

出典:http://www.filmfest-dresden.de

てっきりヨーロッパの人の作品かと思いきや、ニヘイサリナという日本人アニメーション作家の作品だったんですね。
ニヘイサリナさんの作品はヨーロッパでの評価が高いようで、こういったヨーロッパのショートフィルムフェスティバルではよく上映されているようです。

いやぁ、世の中には知らないアニメーション作品がいっぱいありますね。

それでも気になる物語の意味

意味は無いんじゃないかとは思いつつ、やっぱり気になって考えてしまう物語の意味。
一応公式的な説明文に書かれているのはこれくらいの情報

・大切なものを失った少女はウサギと出会う
・対立する二つの社会に関する物語
・不気味なベールに包まれる男たちと、地下に住む中立主義者のウサギ人間

最初見たときは、あぁ黒装束の集団と赤装束の集団が対立してるんだなぁくらいにしか思わなかったのですが、よくよく見てみると黒装束の集団は黒髪で、赤装束の集団はみんな金髪ですよね。

そして黒髪の女に虐待されて自殺に追い込まれた金髪の少女。
根底にあるのは黒装束と赤装束の対立ではなく、黒髪と金髪の人種的な対立であると考えると、この少女の描写も比較的すんなり理解できるような気がします。

そして純粋だった黒髪の少女がこの狂った社会構造に気付いて絶望しているところを、あくまで中立主義なウサギ人間が救いの手を差し伸べる。

最後にウサギ人間が赤装束に殺されてしまうのも、黒髪の少女を受け入れたことが裏切り行為と取られてしまったような感じでしょうか。
中立であるということは、他のあらゆる集団を敵に回す可能性があるということなのかもしれませんね。

そして結局、黒髪集団からも金髪集団からも大切なものを奪われてしまった少女。

まあ理解出来ない描写だらけですが、大筋はそんなところで勝手に解釈しています。